スイカの食べ過ぎの影響は?どのくらいが食べ過ぎになる?

夏の暑い日には、冷たい「スイカ」が食べたいですよね!
水分が多くて甘いスイカをついつい食べ過ぎてしまいますよね?
食べ過ぎると、どのような影響があるのか?
どのくらいまでなら食べてもいいのか?
知りたくなったので徹底的に調べてみました!

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スイカを食べ過ぎるとどうなる?

スイカには「リコピン」が含まれており、活性酸素を除去する種実類(しゅじつるい)に分類されます。
ナッツ類や銀杏、胡麻などと同じ種類です。
主成分はでんぷん質で、炭水化物です。
栄養価をたくさん含んでおり、タンパク質、ビタミンA・B1・B2・C、カリウムも比較的豊富に含まれています。
しかし、ついつい食べ過ぎてしまうと、これらの栄養価を摂り過ぎて栄養の偏りが生じ、体に様々な不具合の症状が出る可能性があります。
スイカ100gあたりの主な成分

  • カロリー 37kcal
  • 水分 89.6g
  • たんぱく質 0.6g
  • 脂質 0.1g
  • 炭水化物(糖質) 9.5g
  • 食物繊維 総量0.3g(水溶性:0.1g 不溶性:0.2g)
  • ナトリウム 1mg
  • カリウム 120mg

参考:文部科学省 第2章 5訂増補日本食品標準成分表
同じように栄養価が高い食品には「枝豆」があります。
⇒「枝豆の食べ過ぎの影響は?どのくらいが食べ過ぎになる?」の別記事はこちらから

すいか

食べ過ぎると腹痛(下痢)になる?

スイカのようなウリ科の野菜には水分が含まれています。
特にスイカには水分が多く、スイカ可食部100gあたり約89.6g、つまりスイカの約90%が水分ということになります。
また、スイカにはカリウムが含まれています。(100g当たり約120mg)
カリウムには利尿作用がありますので、おしっこがたくさん出ます。
おしっこを出すと、体内の保有熱量が減少するため、体温を下げます。
このように、スイカは水分とカリウムによって内臓を冷やす効果があります。
スイカを食べ過ぎると、お腹が冷え過ぎて腹痛になったり、下痢になることがあるので注意してください。

食べ過ぎると太る?

スイカには炭水化物(糖質)が含まれています。
人が生活するために必要な一日の総カロリーは、1500kcal~2000kcalで、炭水化物の必要摂取量は総カロリーの約60%と言われています。
ですから総カロリーの60%を計算すると、下限の1500kcalで900kcal、上限の2000kcalで1200kcalが炭水化物の必要摂取カロリーになります。
炭水化物は「1g=4kcal」と、カロリーを重さ(グラムg)に直す目安がありますので、計算すると、炭水化物の1日の必要摂取量は約225g~300gとなります。
脳が必要とするブドウ糖は炭水化物から生まれるため、これらの量は1日(睡眠時間含む)に最低限必要な量ということです。
文部科学省 第2章 五訂増補日本食品標準成分表によると、100gあたりのスイカのカロリーは約37kcal、炭水化物(糖質)は約9.7g含まれています。
大玉スイカの場合、重さは平均3kg~5kg、大きいものでは7kg~10kgにもなります。
ここで4kgのスイカのを食べると仮定すると、皮の部分(約30%とする)を除き、可食部は約2.8kgぐらいになります。
すると、摂取カロリーの総量は、37×28=1036kcalになるので、人が生活するために必要な総カロリーの約半分を摂取できる計算です。
また、スイカの炭水化物(糖質)の摂取量は、9.7×28=271になり、炭水化物(糖質)の1日の必要摂取量が摂れてしまう計算です。
これは、茶碗に入っている白米の場合、4.5杯~6杯ぐらいの量に相当(白米約200gあたり炭水化物約74g含有)しますので相当な量になることがわかります。
ここで大切なのは、炭水化物(糖質)が多く含まれている、ごはんやラーメン、パスタなどを普段の食事から摂取しているなら、それに加えてスイカを食べ過ぎるのは確実に太る原因になります。
ただ、スイカを食べ過ぎているだけなら、お腹がいっぱいになるので、普段の食事が減ります。
そうすると、普段の食事から摂取する炭水化物(糖質)を減らした状態になった場合、スイカを食べ過ぎても総カロリーは減ることになり、結果的にダイエットにつながるかもしれません。
スイカに含まれる「リコピン」は、トマトより多く含まれており、脂質や糖質を燃焼させやすくするのでダイエット効果が期待されます。
また、「カリウム」も含まれており、利尿作用があるので、体の中のいらない水分を排出するデトックス効果があるので「むくみ」の予防になります。
このように、スイカは、甘いお菓子やジュースよりも遥かに健康的です。
スイカを食べ過ぎるだけなら太る可能性も低くなり、ダイエット効果も期待できます。
しかし、スイカを食べる事以外での食事で摂取する炭水化物(糖質)とのバランス関係が重要です。

スイカの種を食べ過ぎ(飲み込み過ぎ)たらどうなるの?

スイカの種の外側の皮は、とても丈夫に出来ており、、飲み込んでもほとんどがそのまま便とともに排出されるので、種を食べ過ぎ(飲み込み過ぎ)ても問題はありません。
また、種の成分は、脂肪分とタンパク質が含まれていますので、体内で消化されたとしても虫垂炎(盲腸)の原因にはなりません。
このように、スイカの種を食べ過ぎ(飲み込み過ぎ)ても、腹痛や虫垂炎の原因になるというのは昔からの迷信であり、ましてや、お腹の中で、種から芽が出るということもありません。
中国では、スイカの種を塩で炒って中身を食べることもあるほどです。
ですから、スイカの種を食べても大丈夫です!

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スイカの食べ過ぎは糖尿病に影響はあるの?

糖尿病の方やその予備軍の方は、血糖値が異常に高くなり、様々な合併症を引き起こすため、血糖値をコントロールする食事療法等が必要です。
血糖値の上がりやすさを示す指標であるグリセミックインデックス(GI)値を見ると、ブドウ糖を100とした場合、スイカのGI値は100gあたり72です。
ちなみに、柿のGI値は37でスイカよりも低く、また白米のGI値は77でスイカに近いことから、スイカのGI値が比較的高い値であることがわかります。。
さらに、GI値に炭水化物の量をかけたグリセミックロード(GL)という値があります。
GLは血糖値の上昇率(GI)に食べる量を考え合わせた指数で、スイカのGL値は100gあたりとなっており、先ほど比べた柿のGL値は5、白米のGI値は28となっています。
これは何を意味をするかというと、スイカはGI値は高いがGL値は低いので、少量ならば血糖値の上昇は低いということを示します。
なぜなら、スイカはほとんどが水分で、炭水化物(糖質)の割合が非常に低いからです。
ですから、スイカは本来、糖尿病の方にとってもやさしい食品なのです。
しかし、食べ過ぎると炭水化物(糖質)の量も増えますので、GL値が上がり、血糖値の上昇につながるので、かかりつけの医師に相談するなど、食べ過ぎには十分注意してください。

スイカの食べ過ぎは腎臓病に影響はあるの?

カリウムを摂りすぎると負担になる?

スイカには、カリウムが100gあたり約120mg含まれています。
カリウムは筋肉や神経の働きを補助し、利尿作用やナトリウム排出を促進する作用があり、腎臓にとってはいい働きをするものです。
カリウムを多く摂っても、健康な方は、1日のカリウム摂取量の90%は尿として排出され、残りは便として排出されます。
しかし、腎臓の機能が弱い方や腎臓病の持病がある方は、カリウムの摂り過ぎが問題になる場合があります。
腎臓に障害があると、腎臓によるカリウムの排出機能が低下し、カリウムの血中濃度が高くなります。
カリウムの濃度が上がると、不整脈や、最悪の場合には心臓が停止する危険があります。
日本人のカリウムの平均摂取量は2400mg程度ですが、腎臓病など腎臓に障害がある方の1日の摂取量は、病状によって1500mg~2000mg以下を目安に抑えるカリウム制限が必要です。
4kgのスイカ(可食部2.8kg)を食べると仮定すると、120×28=3360mgのカリウムを摂取することになり、腎臓に障害がある方の1日の摂取量の目安を遥かに超えてしまうので大変危険です。
食べ過ぎには十分に注意にしてください。
腎臓病の食事療法においては、病状などにより人それぞれ大きく異なります。
スイカを食べる場合にも必ず医師と相談し、具体的な食事療法の内容を決めてください。

妊娠中の食べ過ぎの影響は?

一般には、スイカをはじめ、きゅうり、ナス、トマトのような地上に生える夏野菜には、体を冷やす効果があり、いも類、ごぼう、人参、大根は地下に生える冬野菜や根菜類は体を温める効果があります。
スイカには、水分を多く含む他はカリウムも含まれていますので利尿作用を促進しますので、むくみに効果があります。
また、スイカにはシトルリンという物質が含まれおり、血流の流れを良くして、血圧を下げる効果もあります。
しかし、スイカを食べ過ぎると、体を冷やし過ぎてしまい下痢などの症状を引き起こします。
また、糖質の摂りすぎになるために妊娠糖尿病を発症する原因にもなり得ます。
妊娠糖尿病は妊娠中に糖尿病と診断される病気で、本来、糖質を胎児の栄養分として摂りこまれる結果、血糖値を下げるためのインスリンの働きを弱めるホルモンが、胎盤から分泌されるので、母体が糖質を分解しにくくなることで発症します。
妊娠高血圧症が悪化すると、流産や早産を引き起こすリスクが高くなるばかりではなく、胎児発育不全や胎児機能不全を引き起こすリスクも高くなりますので注意が必要です。

これらの影響のことは考えつつも、つわりがひどくて吐いたりしている場合には、スイカのように冷たくてサッパリしたものだけしか食べられない時期もあると思います。
このような時期は、かかりつけの医師に相談しつつも、食べ過ぎや栄養のことをあまり気にせず食べることが良い場合もあります。
そして少しずつ食べられる食べ物の種類を気長に増やしていきましょう。

スイカからビタミンAを摂取し過ぎる影響は?

スイカにはビタミンAが含まれています。(100gあたり830μg)
ビタミンAは胎児に必要な臓器の形成や細胞分裂の促進を助けています。
しかし、ビタミンAを過剰に摂取し過ぎると胎児の先天性異常などに発展する可能性が高くなります。
ビタミンAには動物性植物性の二つに分類されます。
マーガリンなどには動物性のレチノールという成分が含まれ、体内に摂りこまれると排出されずに蓄積されていきます。
ですから妊娠中に動物性のレチノールを過剰に摂取するのは避けた方が無難です。
一方、スイカにはカロテノイドの一種であるベータカロテンが含まれています。(100gあたり830μg)
ベータカロテンは体内でビタミンAに変換するされるものであり「プロビタミン」と呼ばれている物質です。
変換されたものは植物性のビタミンAであり、必要な栄養分以外は体外に排出される成分なので、体内に蓄積されることがありません。
ですから、スイカを過剰に摂取しても問題はありませんので安心してください。

食べ過ぎでスイカアレルギーが出る?

「スイカアレルギー」という症状があるのはご存じですか?
スイカアレルギーとは、スイカのような食物を摂取した際に食物に含まれるタンパク質を異物として認識し、自分の体を防衛するために過剰な反応を起こすことを言います。
目がかゆくなる、鼻水や湿しんが出るというような反応や、アナフィラキシーというぜんそくのような命に関わる重篤な反応を起こすことがあるため、注意が必要です。
乳幼児から子供まで大きな症状が出ない場合は、気づかないまま大人になることもあります。
スイカアレルギーは、花粉症とも密接な関係があります。
花粉症の人が、スイカのような、果物、野菜を食べたり、食べ過ぎたりする場合に、口の周りが赤くなってかゆくなる軽度な症状が発症したり、下痢やおう吐、発熱、呼吸困難になるアナフィラキシーという重度な症状が発症する可能性がある病気です。
ラテックス(天然ゴム)を含んだゴムでも同様な症状を起こすので、これらを「口腔アレルギー症候群・ラテックスフルーツ症候群」と言われています。
花粉症をひきおこす原因となるタンパク質の構造が、スイカのような、フルーツや野菜などの食物や天然ゴムに含まれるタンパク質の構造と共通しているために、食物を摂取すると口腔内でアレルギー反応が生じた結果、上記のような症状を引き起こします。
これらの症状は、食後1.5時間~2時間で表れるので、表れたら直ちにスイカを食べるのを止めてください。
特に乳幼児や子供は、遺伝的要素もあるので、家族間でアレルギーを持った人がいる場合は、スイカを食べる前に医者に相談したり、アレルギー検査をすることをおすすめします。

スイカはどのくらいが食べ過ぎになる?

いろいろな情報を参考にして、カロリーと炭水化物(糖質)の含有量を中心に、スイカの食べ過ぎになる目安にしました。

一般的な人(中学生~成人)はどのくらい?

1/2玉(皮つき約2kg、可食部約1.4kg)カロリーは518kcal 炭水化物(糖質)133g

スイカ1玉(皮つき約4kg、可食部約2.8kg)のカロリーは約1040kcalになります。
スイカが好きとはいえ、スイカ1玉を丸々食べる方は少ないと思いますが、1/2玉くらいならちょくちょくいると思います。
ですので、スイカ1/2玉以上を食べ過ぎの目安にしてください。
ただ、この量を食べると、利尿作用によりトイレがかなり近くなると思われます。

子ども(小学生)はどのくらい?

1/4玉(皮つき約1kg、可食部約0.7kg)カロリーは259kcal 炭水化物(糖質)66.5g

子どもにとってはどのくらいが食べ過ぎになるか?
それは、大人の食べ過ぎの量の半分ぐらいと考えます。
1/2玉のさらに半分の1/4玉(皮つき1kg、可食部0.7kg(700g))以上を食べ過ぎの目安にするとよいでしょう。
食べ過ぎると、トイレが近くなり、さらにオネショをすることもあるようなので気をつけてください。

妊娠中はどのくらい?

1/8玉(皮つき約500g、可食部約350g)カロリーは130kcal 炭水化物(糖質)33.3g

厚生労働省と農林水産省では、日本人においては、1日200g(可食部)以上の果物摂取を推進しています。
ですから、この基準を目安にすると、1/4玉のさらに半分の1/8玉(皮つき500g、可食部350g)が摂取量の目安になり、それ以上は食べ過ぎになります。

糖尿病の人はどのくらい?

可食部約220g カロリーは81.4kcal 炭水化物(糖質)20.9g

日本糖尿病学会は「糖尿病食事療法のための食品交換表」の中で、糖尿病患者が制限された摂取エネルギー量のうち、栄養バランスのとれた食事を摂るために、生鮮果物を1日80kcalを摂るように提案しています。
スイカでは約220gに相当し、これ以上は食べ過ぎになりますので注意してください。

このように食べ過ぎの量を示しましたが、あくまでも目安として考えてください。
特に妊娠中の方や糖尿病の方は、かかりつけの医師に、食べる量などを相談してから食べるようにしたほうが安心できます。

おまけ:スイカカッターの動画

スイカカッターの使用方法を動画で紹介します。

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まとめ

スイカはどのくらいが食べ過ぎになるか?

  • 一般人(中学~成人):1/2玉以上(皮つき約2kg、可食部約1.4kg)カロリーは518kcal 炭水化物(糖質)133g
  • 子ども(小学生):1/4玉以上(皮つき約1kg、可食部約0.7kg)カロリーは259kcal 炭水化物(糖質)66.5g
  • 妊娠中:1/8玉以上(皮つき約500g、可食部約350g)カロリーは130kcal 炭水化物(糖質)33.3g
  • 糖尿病の方:可食部約220g以上 カロリーは81.4kcal 炭水化物(糖質)20.9g

ぐらいの目安を示しましたので参考にしてください。

このように、適度な量ならば問題がないスイカでも、食べ過ぎると様々な症状を引き起こす可能性がありますので、食べ過ぎには十分注意しましょう!

                        
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